2024年5月1日・2日。調布グリーン小ホールにて開催された劇団真怪魚15周年記念公演『空想科学探偵社 タフ~どんぐりの巻~』は、二日間満席となり、大盛況で幕を閉じることが出来ました。
北海道や四国、関西、中部地方などからもたくさんの方々にご来場頂きまして、劇団員一同心より感謝申し上げます。
さて、舞台プロローグは空手道場のシーン。
主人公 田武(初出演 初主役、探偵役を演じた唐橋圭司)が、道場長 大徳が手に持つ板三枚を割ると会場には拍手が起こりました。
第一幕の”風待ちカフェ”では、依頼人の寺峰(初出演 初ヒロイン役の空知ミチル)が冒頭から登場。田武と向き合うなり「魂の存在を証明してほしい」と言い放ち、面食らった田武は呆然と立ち上がり舞台をウロウロとしてしまう始末。
田武が自分には不可能と断ると、寺峰はテーブルを叩いて怒り出すが、やがて寺峰が泣きながら真実を語ると、もらい泣きする田武でした。
二人の熱演に観客は一気に物語に引き込まれていきました。
風待ちカフェのママを演じるベテラン女優 ねこまたぐりんの絶妙なセリフの間が心地良く場を和ませたり、優柔不断の田武を叱り飛ばすところは大爆笑となりました。
船島演じる河辺林太郎は、今まではヤクザ役や泥棒役など荒っぽい性格の役でしたが、本公演では真面目で繊細な元刑事役で第一幕後半から登場、一皮剥けた落ち着いた演技が高評価となりました。
田武たちが金どんぐりと葉っぱの手紙の謎を解明するために檜原村の神戸(かのと)へ向かう決意をするところで第一幕が終わり休憩に入りましたが、前半がとても短い時間に感じたという感想が多かったようです。
第二幕は、時間と空間が交差すると言われる神戸岩前の焚き火のシーンから始まりました。このセットの焚き火が本物の炎に見えて「あっ、火だっ」と叫んだ子供も居たようです。
ここでは、田武が姉を亡くした子供の頃の話から、植物状態になった船島の恋人あかりの事件の話にもなりますが、船島が「もう死んでしまいたい」と言った時に、田武が力強く励ます言葉に涙する人たちもいました。
船島が崖から落ちるシーンでは、舞台の上手から下手を崖の上下と見立てて船島が横に転がってゆくと、客席から「あっ」と声が出るほどの迫真の演技で、本当に崖から落ちたように見えた、とても面白い演出だ、など大好評でした。
山猫茶屋では、へんてこりんな仙人?(マスター)を演じる劇団座長の真崎 明が登場。
マスターが田武をいきなりタモで捕まえるところで子供達が爆笑、田武も観客も終始マスターの言動に振り回されるような感覚で展開していきましたが、田武が姉と小熊を死に至らしめた真実を思い出して号泣するシーンでは多くの観客ももらい泣きしていました。
そして第二幕のクライマックスとなる小熊を助けるシーンでは、70歳を迎えたばかりの唐橋演じる田武が、雷鳴と共に倒れてくる木を素早いでんぐり返りでかわすシーンに感嘆の声が出るほど客席を魅了しました。
田武が、小熊たちと別れるシーンではすすり泣く声も会場のあちこちから聞こえてきました。
そして第三幕。寺峰が依頼した魂の存在証明の真実が明らかになってゆくと客席は泣いている人も多く会場全体にすすり泣く声がかなり響いていました。
舞台終了と共に拍手は延々と続きました。
最後の舞台挨拶では真崎 明が、災害や病いなど不慮の死によって愛する人を失って辛い思いをしている方々に寄り添う作品を作りたかったことや、古希を迎えたばかりで初出演の唐橋圭司を主役(田武)に抜擢した理由と大熱演だったその真実が語られて、多くの方々が共感したようです。
こうして劇団15周年記念公演は大盛況で幕を閉じることが出来ました。
アンケート回収率は9割を超えて、「最高に面白かった」が約6割、「面白かった」が3割でした。たくさんご意見、ご感想を書いて下さった方々も多く、心より感謝いたします。
次回は2025年5月6日公演予定です。
さらにバージョンアップした『空想科学探偵社 タフ~どんぐりの巻~』をご期待ください。
~劇団真怪魚 広報部~
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