40度近い炎天下となった調布観光フェスティバル。
野外ステージは直射日光のため、立っているだけで朦朧としそうなほど猛烈な暑さの中、出演者はパワー全開で舞台劇『オレオレ詐欺師を罠にかけろ 大作戦!』を見事に演じ切りました。
ステージ前に設置された観客用座席は満席で、ここだけはテント屋根付きで、巨大扇風機による風が吹き込み、なんとか観劇出来る配慮がなされていましたが、立ち見のお客様方にとっては、大変な舞台観劇となったことは違いありません。
劇団真怪魚ステージは午後2時半ですから、暑さは最大ピークとなっており、3分も炎天下では立っていられない状況の中で始まりました。
舞台進行の司会は石原プロモーションの俳優『金児憲史』さんとJ:COMの『小路裕子』さんです。劇団真怪魚の歴史と活動について二人から丁寧な説明がなされ、いよいよトップバッター『赤井ちあき』の登場です。
プロローグは、赤井ちあきによる物語の始まりとなる『銀河鉃道会議』の概要が語られました。
その後、銀河鉃道管理局の猫狸局長(真崎 明座長)と職員達による会議が始まりました。職員の役には『竜宮いか』と新人『藤坂みのる』が演じました。
この会議内容は、銀河鉃道の停車駅を調布市に作るかどうかが検討されたのですが、一人の職員の猛反対(その理由は、人間達の自己中心的行動により地球星が今、滅びそうなことや、調布は老人を騙すオレオレ詐欺が一番流行っていることなどなど)によって、地球から銀河鉃道が撤退するかもしれないという思わぬ事態へと・・。
そこで局長の友人でもある山猫一族の鳥捕り婆さん(ねこまたぐりん)が助っ人として登場!
鳥捕り婆さんが提案したのは地球を代表した悪人たちに試練を与えて、彼らが生まれ変われたら銀河鉃道の調布駅を作ることを前向きに検討すれば良い、というものでした。
こうして、地球人の悪人代表として選ばれたのはオレオレ詐欺師の仁(河辺林太郎)と優(赤井ちあき)でした。
二人は舞台『銀河鉃道に乗ったサギ』でもお馴染みとなっている第一幕で突如現れるあの”注文多い料理店”に行き、大山猫に食べられてしまうのでしたー。
調布観光フェスティバル用に新たに書き下ろされた本シナリオは、まさに銀サギのエピソードゼロにふさわしいストーリーです。
猛烈な勢いで反対意見をまくし立てた銀河鉃道職員の役には、新人の藤坂みのるが、観る者に印象の残る演技を焼き付けました。
また、それに対してやんわりと説得しようとする職員役の竜宮いかは、ほんの少しあの銀サギの『よだか』を彷彿とさせます。
ねこまたぐりん演じる鳥捕り婆さんは、少々意地悪婆さんを連想させるとんでもない詐欺師(黒サギ)を演じ、圧倒的な存在感を放っていました。
すでにヤクザ役が染み込みだ河辺林太郎とサギ師に手を染めたばかりの若者を演じた赤井ちあきは、おのおのが、まさに堂に入った演技を見事に披露しました。
最後は、座長の真崎 明がこの物語の続きは9月開催のスクリーン上映会で披露することを宣言しました。
全出演者が、猛烈な暑さであることを全く感じさせずに全開パワーで演じ切って観客を完全に物語に引きずり込みました。
「続きが観たい」「何度も公演を観ているのに、またすぐに銀サギの舞台が観たくなった」「ますます銀サギの原点がわかって面白くなった」「宮沢賢治作品が読みたくなった」「次の上映会=短編劇は、絶対に観に行きます」
など、大好評の感想を沢山いただきました。
さて、9月22日(日曜日)調布市つつじヶ丘児童館ホールにて、『新・銀河鉃道に乗ったサギ』スクリーン上映会と短編劇『オレオレ詐欺師を罠にかけろ 大作戦!』フルバージョン版の二本立てを2回に分けて開催予定です。
チケット販売や詳細は劇団真怪魚ホームページをご覧ください。ぜひ皆様のお越しをお待ちしております。
最後に、福島や名古屋など遠方から上京された皆様をはじめ、多くの方々が真夏の炎天下の調布駅前広場で開催された劇団真怪魚のオンステージにご来場いただきました。
心より御礼申し上げます。
どうぞこれからも劇団真怪魚をご支援ご声援、よろしくお願いいたします。
劇団員一同
【CAST】 藤坂みのる 竜宮いか ねこまたぐりん 真崎明
【STAFF】作・演出/真崎明 演出補/火星ねこ 音楽/那音弥
カメラ・編集/西床久雄
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